大管弦楽のための「日本組曲」(Japanische Suite für groẞes Orchester)は、日本の作曲家、貴志康一が作曲した管弦楽曲である。

作品概要

作曲年代は明らかになっていないが、1934年3月29日にベルリンで行われた「日本の夕べ」で作曲者の指揮、ウーファ交響楽団の演奏で世界初演されたことから、この催しに間に合うよう作曲されたのではないかと思われる。日本では1935年9月12日、大阪朝日会館で「花見」「祈り」「道頓堀」の3曲が作曲者の指揮、宝塚交響楽団の演奏で初演された。日本における全6曲での演奏は1995年10月に小松一彦指揮、大阪センチュリー交響楽団(現・日本センチュリー交響楽団)によって行われている。

楽器編成

おおむね三管編成を採る。特に大規模な打楽器群が目を引く。

  • 木管楽器
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2(B♭管)、バスクラリネット(B♭管)、ファゴット2、コントラファゴット
  • 金管楽器
ホルン4(F管)、トランペット3(B♭管)、トロンボーン3、テューバ
  • 打楽器ほか
ティンパニ、トライアングル、バスドラム、スネアドラム、カスタネット、シンバル、グロッケンシュピール、タンバリン、テナードラム、鞭、ラチェット、銅鑼、ハープ
  • 弦楽器
第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

楽曲構成

全6曲から成るが、それぞれが独立した交響詩風の作品である。

第1曲「春雨」

第2曲「祈り」

第3曲「道頓堀」

第4曲「淀の唄」

第5曲「花見」

第6曲「戦死」

録音

  • 貴志康一指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ビクター・VICC-5011):「道頓堀」「花見」のみ
  • 小松一彦指揮/サンクトペテルブルク交響楽団(ビクター・VICC-155): 「春雨」「淀の歌」のみ
  • 小松一彦指揮/大阪センチュリー交響楽団(ビクター・VICC-60426):「花見」「道頓堀」のみ

脚注


交響組曲「日本スケッチ」より第4楽章”祭”(貴志康一作曲・石村隆行編曲) YouTube

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