千手堂駅(せんじゅどうえき)は、岐阜県岐阜市真砂町10丁目にあった、名古屋鉄道の駅(停留場)である。名鉄岐阜市内線と鏡島線の2路線が乗り入れていたが、前者は2005年に、後者はそれに先立つ1964年に廃止された。

歴史

当駅に乗り入れていた2路線の前身はいずれも美濃電気軌道の路線である。先に開業したのは鏡島線で、1924年(大正13年)に開業した際は同社の他の路線とは接続しない孤立路線であった。ただ翌年には市内線が徹明町駅から当駅まで延伸してきたことで2路線が接続する駅となった。同年中には市内線が当駅からさらに忠節駅方面へ延伸している。

当駅は市内線と鏡島線の連絡駅としての役割を果たしていたが、輸送能力が貧弱であった鏡島線はモータリゼーションの進展を受けて1964年(昭和39年)に廃止、バス路線に転換された。その後2005年(平成17年)には残った岐阜市内線も廃止され、当駅も廃駅となった。

  • 1924年(大正13年)4月21日 - 美濃電気軌道により鏡島線の当駅 - 鏡島駅間が開通し駅開業。当時は他線区との接続がない孤立路線であった。
  • 1925年(大正14年)
    • 6月1日 - 市内線の徹明町駅 - 当駅間が開業し、市内線と接続。徹明町駅 - 鏡島駅間で直通運転を開始。
    • 12月11日 - 市内線の当駅 - 忠節橋駅間が開業。分岐駅となる。
  • 1930年(昭和5年)8月20日 - 美濃電気軌道が名古屋鉄道(初代。同年中に名岐鉄道に改称し、1935年より名古屋鉄道に再改称)に合併。同社の岐阜市内線、および鏡島線の駅となる。
  • 1946年(昭和21年)4月30日 - 空襲で焼失していた駅舎が復旧。
  • 1950年(昭和25年)
    • 6月10日 - 鏡島線の当駅 - 森屋駅間が道路拡幅工事のため休止。
    • 7月11日 - 当駅 - 森屋駅間が運行再開。併用軌道化。
  • 1964年(昭和39年)10月4日 - 鏡島線が廃止されバス路線に転換。
  • 2005年(平成17年)4月1日 - 岐阜市内線廃止により廃駅。

駅構造

廃止時は相対式2面2線の乗り場を持っていた。ただし道路との併用軌道上で、安全地帯はなく、路面を「グリーンベルト」と称して緑色に塗装してあるだけだった。岐阜市内線は、ここで90度向きを変え、忠節駅方面へと北上しており、曲線を曲がる手前に下りの乗り場、曲がったさきに上りの乗り場が設置されていた。2つの乗り場は交差点を挟んで配置されていたため、電車が信号待ちをしている間でも乗車することができた。

配線図


駅周辺

  • スーパータイヨー
  • ホテルグランヴェール岐山
  • 岐阜真砂郵便局

隣の駅

名古屋鉄道
岐阜市内線
金町駅 - 千手堂駅 - 本郷町駅
鏡島線
千手堂駅 - 鍵屋駅

脚注

参考書籍

  • 名鉄600V線の廃線を歩く-惜別の“岐阜線”と空港線誕生 (JTBキャンブックス)、徳田 耕一 (著) JTBパブリッシング発行(2005-3-1) ISBN 978-4533058837
  • 日本鉄道旅行地図帳 ―全線全駅全廃線 7号 東海(新潮「旅」ムック)、日本鉄道旅行地図帳編集部 (編) 新潮社 (2008-11-18) ISBN 978-4-10-790025-8

関連項目

  • 日本の鉄道駅一覧

駅舎随録 JR五位堂駅

千手堂

第3番 千手堂|最上三十三観音

千旦駅

荷口の千手堂 Rondino